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駿河シカヲとマダム葵による映画レビュー、書評、対談、コラム等のブログであります。 コメントやリンクはいつでも大歓迎でお待ちしております!
2025.07.13,Sun
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2008.12.16,Tue
駿河シカヲである。
キサラギを観たよ。

<公式HP>
http://www.kisaragi-movie.com/

<作品解説・詳細>
キサラギ - goo 映画

知る人ぞ知るアイドル如月ミキが自殺をして一年が経ち、一周忌追悼会に集まった5人の男たち―家元、オダユージ、スネーク、安男、イチゴ娘。ファンサイトの常連である彼らはそこで初めて顔を合わせた。それぞれオタク心を通わせながら、彼女の思い出話に花を咲かせる。誰しもが「自殺なんかする娘じゃない」と思っていた。そして誰かが「彼女は殺されたんだ」と。この発言をきっかけに、男たちの侃々諤々の推理が始まった…。

ひとつの部屋の中で繰り広げられる“密室劇”。日本映画には珍しい(?)ワンシチュエーション・サスペンスで、謎が謎を呼ぶ展開がとてもスリリングなのに、観終わるととても爽やかな後味のハートフルドラマ。そんな不思議な魅力の作品だ。三谷幸喜の舞台劇を観ているかのような絶妙な会話劇を構築したのは、『ALWAYS 三丁目の夕日』で知られる脚本家・古沢良太と、「僕の生きる道」など秀作TVドラマを手がけてきた佐藤祐市監督。映画界、TV界のそれぞれタイプがまったく違う人気者5人を巧く配置して、不協和音が奏でる“一体感”を作り上げた。

<レビュー>
まず言っておきたいのは、こんなものは映画とは呼べない代物である、ということである。
どう考えても、これは映画でやる必要がない。
舞台でやればよい。
それに、映画でしか味わえない映画的な感動が一つも無く、最後の、邦画にありがちな意味のないエンディングテーマが流れるというダメ押しがあって、最終的には怒りさえ覚えたのである。

といいつつも、世間が評価しているように話はまあよく出来ていて、単純に楽しめると思う。
どんでん返しにつぐどんでん返しはややワンパターンな気がした。
最後の宍戸錠がでてくるくだりは、もういいだろうしつこいよ、と思った。

なんでこんなにこの映画の評価が高いのだろう。
いろんなレビューを観たが、絶賛の嵐である。

★★★☆☆

 by 駿河シカヲ

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2008.12.13,Sat
駿河のシカヲです。
長江哀歌(エレジー)を観ました。
ジャ・ジャンクーは素晴らしい。

<公式HP>
http://www.bitters.co.jp/choukou/

<作品解説・詳細>

長江哀歌 - goo 映画

三峡ダムの建設のため、水没していく運命にある町、奉節。そこへ船に乗って一人の男がやってくる。彼の名はハン・サンミン。16年前に別れた妻子を探しに、山西省からやってきた炭鉱夫だ。様変わりしてしまったこの町で、サンミンは働き口を見つけ、妻探しを続ける。一方、2年間音信不通の夫を探しに、やはり山西省からやってきた女がいた。

デビュー作から一貫して社会に取り残されていく人々を描いてきたジャ・ジャンクー監督。『クイーン』などの話題作を抑えてベネチア映画祭でグランプリを受賞したこの新作でも、その彼の眼差しは変わらない。日本最大の奥只見ダムの65倍という、世界最大のダムとなる中国・三峡ダム。この一大国家事業は、経済発展の面からすれば人々に大きな貢献をもたらす。しかしその流域に住む100万人以上の住民が移住を強いられているのだ。一方、水没を前に解体されていく町には地方から多くの出稼ぎ労働者が集まり、本作のようなドラマも生まれていく。大きく見れば経済発展はいいことだろう。しかし世の中は変化を望む人々ばかりではない。「発展」に乗れずに置き去りにされていく人々もいることを、ジャ・ジャンクー作品は私たちに気づかせてくれるのだ。

<レビュー>
この映画をドキュメンタリーとしてとらえても良いのかもしれない。
そう思っていながら観ていた中盤あたりで、事件は起こった。
奇妙なモニュメントがロケットのように飛んで行ったのだ。
しばらくあっけにとられていたが、すぐに気がついた。
これは、ドキュメンタリーではなく、映画なのだった。
あそこでおおがかりなフィクションを一発入れてしまう大胆さを何よりも評価したい。

それ以外にも記憶に残るシーンばかりだった。

人物の背景には、
長江の圧倒的な自然と、ダムに消えゆく瓦礫の街。
曇天と霧雨で青白い景色。
それだけでも観る甲斐があるのだが、
人物と風景の配置が見事に計算されている構図も完璧に近い。

街を解体する男たちはみな上半身裸である。
彼らは街を壊しながら、カンカンカンカンとリズムを刻んでいる。
町工場のプレス音が遠くでかすかに響いていた、あの頃の懐かしさに一瞬繋がって困った。

16年ぶりに、思ったよりそっけなく再会した夫婦。
対面で向かい合い、妻は夫に飴を手渡す。
邂逅の瞬間。
突然の遠い爆破音。
高層ビルが崩れ落ちてゆくのを二人が目撃する。
なんという素晴らしい画なのだろう。

★★★★★
                                                       by 駿河シカヲ
2008.12.11,Thu
駿河シカヲです。
内田けんじ「アフタースクール」を観たよ。
面白い!

<公式HP>
http://www.after-school.jp/index.html

<作品解説・詳細>
アフタースクール - goo 映画

母校の中学校で教師をしている神野と、サラリーマンの木村は中学時代からの親友同士。産気づいた木村の妻を、仕事で忙しい木村の代わりに神野が病院まで送りとどけた。その日、夏休み中だが部活のため出勤した神野のもとに、同級生だという探偵が訪ねてくる。島崎と名乗る探偵は木村を捜していた。若い女性と親しげにしている木村の写真を探偵に見せられた神野はショックを受け、なかば強引に木村捜しを手伝うことになってしまう。

カンヌ国際映画祭等で数々の映画賞に輝いた『運命じゃない人』から3年。内田けんじ監督作品に、大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人ら人気・実力を兼ね揃えたキャストが集結した。探偵(もしくは何かを調査、模索する人物)を狂言回し的に配置することを踏襲しながらも、時間軸を少しずつずらしながら、別の視点で同じシーンを見せることによってパズルを解いていくような痛快なストーリーテリングで見せた前作(デビュー作『WEEKEND BLUES』も同じテイスト)と違い、本作では“信じていたものが一気にひっくり返るような”想像を超えた展開が待ち受けている。内田けんじの作劇術にまんまと騙されてこそ楽しめる痛快作。

<レビュー>
ドンデン返しのカタルシスを求めたい人には、何よりおすすめの映画である。
また、推理小説が好きな人にもおすすめである。

だが、目の肥えた映画ファンにおすすめかといえば、そうでもない気がする。
たしかにストーリー展開は見事である。
現在の日本人映画監督でここまで緻密に計算されたトリックを、一流の娯楽映画として楽しませてしまう人はいないと思う。
あの三谷幸喜だって、内田けんじの才能には遥かに及ばない。
そのぐらいのストーリーテラーだとぼくは思う。
けれどもそれは物語作家として優れている、ということであって、
映画作家として特別に優れているというわけでは無い、ということなのである。
演出面で、というか、画面として特にアッと驚く何かは無かった。
といいつつも、どちらかといえばゆったりめのテンポは、ショットひとつひとつに余韻があって好みである。
だからDVDで観ていたぼくは「ん?今の何だったんだ?」と巻き戻しすることが無く、この平和なサスペンスをゆっくり考え、楽しむことができた。
だが、この映画は少なくとも二回は観なければ完全に理解できないだろう。
大まかなストーリーは一度観てわかるけれども、二度目、三度目で細かい伏線に、意図に、だんだん気付いてゆくのである。

この作品でもって内田けんじはいよいよ日本でメジャーな存在になり、当然のごとく人気映画監督の階段をかけあがってゆくに違いない、といいたいところだが、オリジナルストーリーが興行的な大成功につながらない現在の日本においては、ブレイクまでまだ待たなければならないだろう。
というか現在のマンガ、ドラマ、本の映画化が横行する(しかもそれはたいがい原作に勝てない)腐った状況を打破しうる存在でもあるので、今後にも期待したい。
内田けんじが松本人志みたいなネームバリューをもっていれば簡単なことなのだが。
しばらくTVを経験したらどうだろう。
商業映画監督としての素質は抜群に優れていると思うのだが。

★★★★★                                                      

by 駿河シカヲ

 

2008.12.08,Mon

シカヲ駿河です。
今回はイーストウッドの「硫黄島からの手紙」です。

<公式HP>
http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/

<作品解説・詳細>
硫黄島からの手紙 - goo 映画
戦況が悪化の一途をたどる1944年6月。アメリカ留学の経験を持ち、米軍との戦いの厳しさを誰よりも覚悟していた陸軍中将・栗林が硫黄島に降り立った。着任早々、栗林は本土防衛の最期の砦である硫黄島を死守すべく、島中にトンネルを張り巡らせ、地下要塞を築き上げる。そんな栗林の登場に、硫黄島での日々に絶望していた西郷ら兵士たちは希望を見出す。だが、一方で古参の将校たちの間で反発が高まり…。

イーストウッド監督、スピルバーグ製作の『父親たちの星条旗』に続く、硫黄島2部作の第2弾。日本の最南端にほど近い太平洋に浮かぶ、東京都小笠原村硫黄島。山手線一周ほどもないこの小さな島は、米軍の本土攻撃を食い止める最期の砦として重要な拠点だった。米軍は当初、圧倒的な戦力の違いから5日で陥落できると踏んでいたが、予想以上の日本軍の抵抗によって激戦は36日間に及んだ。この硫黄島の戦いを率いた日本軍の栗林中将、若き兵士・西郷ら何人かの人物に焦点を当て、硫黄島での戦いを明らかにしていく。戦後61年が経ち、地中から発見された数百通の手紙。届かぬとわかっていてしたためられた家族への思いが、余りにも悲痛で胸を打つ。

<レビュー>
映画はマジックだ。または幻想に過ぎない。
以下、その理由を挙げてゆきたい。
・どうみても十代にしか見えない二宮くんを主役に据えて最後まで押し切っている。
・休憩中の日本兵の会話はまるでアメリカンジョークだ。
 アメリカ人のセリフを日本語に翻訳して喋っているかのよう。
 しかし演じているのは日本人で、演じられているのは日本語劇である。
・地下塹壕の映像から空間性をまったく把握できない。
 にもかかわらずドラマに魅了されている。
・爽快さの欠片もない戦闘描写。
 しかし、「突発的な襲撃」のような緊張と緩和が組み込まれているせいで、
 アクション映画足り得ている。
・渡辺謙の「天皇陛下万歳」のシーン。
 右も左もストーリーもメッセージもまったく抜きにして、単純にそのアクション(肉体運動)に戦慄。
 あれこそが映画的な感動の瞬間。
・硫黄、曇天、暗闇、地下、赤痢、水不足、日本兵、集団自決、イーストウッド特有の暗く冷たい演出、
 加瀬亮特有の負のオーラ、負けを前提にした戦い、死、、、等々の救いようのなさ。
 そこから奇跡的にマイナスイオンが発生している。
 マイナス要素がマイナス要素にならない魔術。
・流れるようなカット割りは見事だが、俯瞰ショットが少ない。
 接写は画面情報が少ないから観る側に選択を与えない。
 これを見ろ、と言われたものを観るしかない。
 余白の無い映像から、知らず知らずのうちに地下塹壕の窮屈感を与えられている。
 かと言って外へ出れば撃たれる。投降すれば殺される。
 最後の最後、シャベルで抵抗する二宮くんが気絶し、担架で運ばれて目をあけたときの彼の表情に、
 妙な開放感を感じた。やっと負けてくれてありがとう、生き残ってくれてありがとう、と思った。
 その時点では戦争はまだ終わっていないのだが。

★★★★★                                                  

by 駿河シカヲ

2008.12.04,Thu

駿河シカヲです。
「ALWAYS 続・三丁目の夕日」を観た。
奇妙な異空間。

<公式HP>
http://www.always3.jp/

<作品解説・詳細>
ALWAYS 続・三丁目の夕日 - goo 映画
昭和34年春。東京オリンピックの開催が決定し、日本は高度経済成長時代に足を踏み入れようとしていた。取引先も増え、軌道に乗ってきた鈴木オートに家族が増えた。事業に失敗した親戚の娘、美加を預かることにしたのだ。しかし、お嬢様育ちの美加と一平は喧嘩ばかり。一方、一度淳之介を諦めた川渕だが、再び茶川の所にやってくるようになっていた。淳之介を渡したくない茶川は、再び芥川賞に挑戦しようと決意する…。

多くのファンからの要望に応え、『ALWAYS 三丁目の夕日』が再びスクリーンに。前作で淳之介を取り戻した茶川が芥川賞に挑戦していく。今回もまた当時の東京の風景をVFXを用いて、目を疑うようなリアルさで再現している。完成したばかりの東京タワー、日本橋などの街並みに加え、東京駅、羽田空港、開通直後の新幹線こだま号など、その時代を知る人にとっては懐かしい映像が続く。また、この映画の魂でもある三丁目の人々の温かさも健在。古きよき“昭和”の世界を再び味わって欲しい。出演は、堤真一、薬師丸ひろ子、吉岡秀隆、須賀健太ら、お馴染みの顔ぶれに加え、上川隆也、マギー、渡辺いっけい他。監督は前作と同様の山崎貴。

<レビュー>
山崎貴監督(というか制作側)を評価する気にはなれないのに、作品自体は嫌いになれないという不思議なシリーズである。
山田洋次なんて大したことないけど寅さんシリーズを観ていると心が和む、というのと同じ現象が、世紀末以上に終末感漂うこの2000年代に再現されている。
本作を観た約一週間前(だったと思う。三日以上前の記憶はいつだってあやふやなのだ)、ぼくは「映画崩壊前夜」を図書館から借りて読んでいた。
「映画は常に崩壊前夜にある」という宣言が深く印象に残っていて、それでぼくは映画がいつ終焉するのか分からないものだということを念頭に映画を観てゆこうと思っていた矢先に、この作品を録画していたことを思いだし、そして2000年代にこんな代物を撮ってしまう制作陣の間抜けさを大いに、憂い、おかしみながら観ていた。
冒頭で「ゴジラ」が出てきて、途中で「君の名は」の日本橋のシーンが出てきて、あちらこちらに昭和という時代を象徴する記号がちりばめられていたのだが、何より大事なことは吉岡秀隆が出てきたことだ。
幸か不幸かカメレオン俳優ではない吉岡秀隆は、どんな作品にだって「吉岡秀隆」というイメージを観る側に与える。
だから、吉岡秀隆が出ていることで本作と寅さんシリーズが完全につながりを持ってしまったわけである。
どうせなら吉岡秀隆が呑気な人気娯楽映画シリーズモノの歴史の呪縛を背負ってゆけばよい。
2030年代にまだ映画が生きていれば、そして何らかの人気娯楽映画シリーズがあれば、そのときはきっと五十代になった吉岡秀隆の名前がその映画のエンドクレジットで流れるのだろう。
ところで、三丁目の夕日はそもそもシリーズモノとしてこれからも続いてゆくのだろうか。
本作で終わったとすれば、ここまで書いたことが全て恥ずかしい仮想未来予想図になってしまうわけで、できれば続いて欲しいのである。

踊り子役の小雪が本屋で恋人(吉岡)の投稿された雑誌を手に取ろうとする時の横顔のアップで、
光の差し込む調度のせいかも知れないのだが、一瞬フランス映画に見えた。
妙に印象的なシーンである。

★★★★

                                                   by 駿河シカヲ

2008.11.28,Fri
駿河シカヲだ。
これはマダムと駿河シカヲが両者未体験の韓流ドラマを観て、
好き勝手に感想を述べ合うコーナーである。
記念すべき本企画の第一作品目は、「ウエディング」である!

公式HP http://wedding.hanryu.tv/

主演はリュ・シュウォン(男)とチャン・ナラ(女)である。
世間知らずの箱入り娘と大統領秘書官の青年が出会って恋に落ちるという、
そんな、あ、そんな、ストーリーなのである。

さっそく対談へ!

2008.09.22,Mon
風俗嬢は死んだらいいのに。
こんばんは。マダム葵です。皆様いかがお過ごしかしら。

さて、アテシ達が絶対に見ないであろう映画を鑑賞し感想を述べるこの企画、
第1回目の作品は
『マジック・キッチン 魔幻厨房/MAGIC KITCHEN (2004年)』

magickitchen.jpg

香港映画よ。
主演はサミー・チェン。あとF4のジェリー・イェンちゃんね。
他にもアンディ・ラウなんて出ていて意外と豪華だったわ。

ストーリーは
レストランのオーナーシェフのヒロイン、サミー・チェンの周りで起こる恋愛模様ね。
特にこれ以上の説明はないわ。だってそれだけなんだもの。

面倒くさいからチャッチャと対談に行っちゃいましょう。

2008.09.17,Wed

まあ基本的に映画について語るわけだが、一週間に一本ぐらいは紹介できればと思っている。
評論はできないので、あくまでも感想文ということで、生温く見守ってもらえたら何よりである。

 

by駿河シカヲ

 

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About
HN:
駿河シカヲ & マダム葵
性別:
非公開
職業:
ひたすらに映画
趣味:
映画
自己紹介:
<駿河シカヲ>
夜中の12時から3時にかけて映画を観ることが多い。
近所を自転車で疾走している姿をよく目撃されている。

<マダム葵>
短期間でもの凄い本数の映画を観たりする。
夕方の花街でそそくさと歩く後姿を目撃されることがある。
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