駿河シカヲとマダム葵による映画レビュー、書評、対談、コラム等のブログであります。
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2009.11.16,Mon
駿河シカヲです。
マイコー・ジャクソンをこよなく愛するマダムに誘われてTHIS IS ITを観にゆきました。
さっそくマダムが愛情のこもったレビューしてくれまして、だいたいのことを言ってくれたとおもうのですが、ぼくも一応感想を述べておきます。
<作品解説・紹介>
マイケル・ジャクソン THIS IS IT - goo 映画
2009年6月25日に急逝した“キング・オブ・ポップ”マイケル・ジャクソン。本作は、ロンドンで実施予定だったコンサート「THIS IS IT」の何百時間にも及ぶリハーサルとビハインド・ザ・シーンの映像を、『ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー』の監督・振り付けのケニー・オルテガが、死の直前までマイケルが行っていた猛特訓風景とその素顔を収めた貴重な映像の数々を基に構成。あたかも観客が、実現されなかったロンドンコンサートの最前列にいるかのような臨場感溢れる仕上がりになっている。また、舞台上の振り付けから照明、美術、ステージの背景となるビデオ映像の細部にいたるまで、マイケルのステージに対する深いこだわりが感じられる。(作品資料より)
<レビュー>
今回に限っては、映画的にどうよってかんじで検証するのは非常にくだらないですね。
ただし一応、一点だけ言っておきましょう。
スムースクリミナルのクリップで、
ハワード・ホークス監督「三つ数えろ」のクライマックスシーンの引用がありました。
それは嬉しかった。
ハンフリー・ボガートの顔は長いと思います。
引用は「三つ数えろ」だけじゃなかったけどよく分からなかったです。
まあとにかく、偶然にしろ何にしろ、映画の引用があのドキュメンタリーの中にうつりこんでしまっているというのは、映画的記憶の連鎖であり、『THIS IS IT』は映画の系譜に組み込まれていると判断しよう。
映画的彼是で語るのは、以上。
まあなんでしょうねえ。凄いですねマイケルさん。
完璧主義者と言われる彼のことですから、
生前ならまず映像公開を了承しないであろうリハ映像なんで、
いつもより素のマイケルさんを見ることができるんですが、
その素のなかに圧倒的なポテンシャルを私は見ました。
いや素だからこそ分かったんです。
つまり、パブリックイメージのマイケル、完璧主義のマイケルが完璧に自己演出したマイケルは、悪く言えばただのマイケルジャクソンなわけです。
それは、たとえば幼いころから聴きすぎていてビートルズの曲の良さが分からなくなっている感覚と同じですね。
ところが、マイコ―の適当なハミングやら口ベースやら、そういったいつもは見られないマイコ―を見てしまったとき、「ああ、やっぱりマイケルは凄い」ということに気づくわけです。
日本一マイケルに詳しい男、ノーナリーヴス西寺郷太さん曰く、完璧主義者のマイケルは実は自分を表現するのが下手だ、ということです。
要はそういうことなんでしょう。
完璧にハイブリッドにカスタマイズされたものしか提示できないというのは、
自己演出として貧弱なのかもしれません。
単純に人間同士のコミュニケーションレベルで考えると、
ところどころ弱さを垣間見せながらも芯の強い部分をチラチラ相手に見せてゆける人間こそが、
世渡り上手のひな形ですからね。
マイケルはそれができなかったんですね。
弱いところを見せたくなかったんですね。
これが逆にもったいない。
なにげない仕草、例えばミュージシャンだったら飲み会なんかで冗談半分にアコギで適当に弾き語りしたときに「あ、こいつやっぱスゲー!」ってなるようなことですよ。
マイケルにそれができれば良いけれど、でもそんなのはマイコ―じゃないでしょう!
二次会のカラオケで歌うマイコーなんて絶対に想像できないでしょう。
つい最近知ったんですが、いや、昔マダムが言ってたような気もするんですが、
マイケルが公式に発表した生映像ってライブ・イン・ブカレストしかないみたいですね。
あとはPVだけらしいのです。
これだけのキャリアで、ですよ。
しかも歌って踊って、つまりステージで魅せるエンターテイナータイプの最高峰の彼がですよ。
これは非常に驚きです。
そんな彼の、完璧主義者の彼の、
リハ映像ですからね、考えれば考えるほどに貴重ですね。
ただ、今の『貴重』というのはおそらくファン目線です。
でもそういった蔵出し映像的な部分は、観ていてほとんど感じなかったのは、
やっぱりおそらくマイケル・ジャクソンという人のうたう歌の素晴らしさなんでしょうよ。
単純に見ていて惹きこまれるっていう、それに尽きるのでしょう。
そして最後に。
THIS IS ITは良い曲でした。
そして私の最も好きな Man In The Mirrorは掛け値なしの名曲です。
フィナーレのスローモーションで私は泣きそうになりました。
★★★★★
マイコー・ジャクソンをこよなく愛するマダムに誘われてTHIS IS ITを観にゆきました。
さっそくマダムが愛情のこもったレビューしてくれまして、だいたいのことを言ってくれたとおもうのですが、ぼくも一応感想を述べておきます。
<作品解説・紹介>
マイケル・ジャクソン THIS IS IT - goo 映画
2009年6月25日に急逝した“キング・オブ・ポップ”マイケル・ジャクソン。本作は、ロンドンで実施予定だったコンサート「THIS IS IT」の何百時間にも及ぶリハーサルとビハインド・ザ・シーンの映像を、『ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー』の監督・振り付けのケニー・オルテガが、死の直前までマイケルが行っていた猛特訓風景とその素顔を収めた貴重な映像の数々を基に構成。あたかも観客が、実現されなかったロンドンコンサートの最前列にいるかのような臨場感溢れる仕上がりになっている。また、舞台上の振り付けから照明、美術、ステージの背景となるビデオ映像の細部にいたるまで、マイケルのステージに対する深いこだわりが感じられる。(作品資料より)
<レビュー>
今回に限っては、映画的にどうよってかんじで検証するのは非常にくだらないですね。
ただし一応、一点だけ言っておきましょう。
スムースクリミナルのクリップで、
ハワード・ホークス監督「三つ数えろ」のクライマックスシーンの引用がありました。
それは嬉しかった。
ハンフリー・ボガートの顔は長いと思います。
引用は「三つ数えろ」だけじゃなかったけどよく分からなかったです。
まあとにかく、偶然にしろ何にしろ、映画の引用があのドキュメンタリーの中にうつりこんでしまっているというのは、映画的記憶の連鎖であり、『THIS IS IT』は映画の系譜に組み込まれていると判断しよう。
映画的彼是で語るのは、以上。
まあなんでしょうねえ。凄いですねマイケルさん。
完璧主義者と言われる彼のことですから、
生前ならまず映像公開を了承しないであろうリハ映像なんで、
いつもより素のマイケルさんを見ることができるんですが、
その素のなかに圧倒的なポテンシャルを私は見ました。
いや素だからこそ分かったんです。
つまり、パブリックイメージのマイケル、完璧主義のマイケルが完璧に自己演出したマイケルは、悪く言えばただのマイケルジャクソンなわけです。
それは、たとえば幼いころから聴きすぎていてビートルズの曲の良さが分からなくなっている感覚と同じですね。
ところが、マイコ―の適当なハミングやら口ベースやら、そういったいつもは見られないマイコ―を見てしまったとき、「ああ、やっぱりマイケルは凄い」ということに気づくわけです。
日本一マイケルに詳しい男、ノーナリーヴス西寺郷太さん曰く、完璧主義者のマイケルは実は自分を表現するのが下手だ、ということです。
要はそういうことなんでしょう。
完璧にハイブリッドにカスタマイズされたものしか提示できないというのは、
自己演出として貧弱なのかもしれません。
単純に人間同士のコミュニケーションレベルで考えると、
ところどころ弱さを垣間見せながらも芯の強い部分をチラチラ相手に見せてゆける人間こそが、
世渡り上手のひな形ですからね。
マイケルはそれができなかったんですね。
弱いところを見せたくなかったんですね。
これが逆にもったいない。
なにげない仕草、例えばミュージシャンだったら飲み会なんかで冗談半分にアコギで適当に弾き語りしたときに「あ、こいつやっぱスゲー!」ってなるようなことですよ。
マイケルにそれができれば良いけれど、でもそんなのはマイコ―じゃないでしょう!
二次会のカラオケで歌うマイコーなんて絶対に想像できないでしょう。
つい最近知ったんですが、いや、昔マダムが言ってたような気もするんですが、
マイケルが公式に発表した生映像ってライブ・イン・ブカレストしかないみたいですね。
あとはPVだけらしいのです。
これだけのキャリアで、ですよ。
しかも歌って踊って、つまりステージで魅せるエンターテイナータイプの最高峰の彼がですよ。
これは非常に驚きです。
そんな彼の、完璧主義者の彼の、
リハ映像ですからね、考えれば考えるほどに貴重ですね。
ただ、今の『貴重』というのはおそらくファン目線です。
でもそういった蔵出し映像的な部分は、観ていてほとんど感じなかったのは、
やっぱりおそらくマイケル・ジャクソンという人のうたう歌の素晴らしさなんでしょうよ。
単純に見ていて惹きこまれるっていう、それに尽きるのでしょう。
そして最後に。
THIS IS ITは良い曲でした。
そして私の最も好きな Man In The Mirrorは掛け値なしの名曲です。
フィナーレのスローモーションで私は泣きそうになりました。
★★★★★
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About
HN:
駿河シカヲ & マダム葵
性別:
非公開
職業:
ひたすらに映画
趣味:
映画
自己紹介:
<駿河シカヲ>
夜中の12時から3時にかけて映画を観ることが多い。
近所を自転車で疾走している姿をよく目撃されている。
<マダム葵>
短期間でもの凄い本数の映画を観たりする。
夕方の花街でそそくさと歩く後姿を目撃されることがある。
夜中の12時から3時にかけて映画を観ることが多い。
近所を自転車で疾走している姿をよく目撃されている。
<マダム葵>
短期間でもの凄い本数の映画を観たりする。
夕方の花街でそそくさと歩く後姿を目撃されることがある。
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