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駿河シカヲとマダム葵による映画レビュー、書評、対談、コラム等のブログであります。 コメントやリンクはいつでも大歓迎でお待ちしております!
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2008.12.04,Thu

駿河シカヲです。
「ALWAYS 続・三丁目の夕日」を観た。
奇妙な異空間。

<公式HP>
http://www.always3.jp/

<作品解説・詳細>
ALWAYS 続・三丁目の夕日 - goo 映画
昭和34年春。東京オリンピックの開催が決定し、日本は高度経済成長時代に足を踏み入れようとしていた。取引先も増え、軌道に乗ってきた鈴木オートに家族が増えた。事業に失敗した親戚の娘、美加を預かることにしたのだ。しかし、お嬢様育ちの美加と一平は喧嘩ばかり。一方、一度淳之介を諦めた川渕だが、再び茶川の所にやってくるようになっていた。淳之介を渡したくない茶川は、再び芥川賞に挑戦しようと決意する…。

多くのファンからの要望に応え、『ALWAYS 三丁目の夕日』が再びスクリーンに。前作で淳之介を取り戻した茶川が芥川賞に挑戦していく。今回もまた当時の東京の風景をVFXを用いて、目を疑うようなリアルさで再現している。完成したばかりの東京タワー、日本橋などの街並みに加え、東京駅、羽田空港、開通直後の新幹線こだま号など、その時代を知る人にとっては懐かしい映像が続く。また、この映画の魂でもある三丁目の人々の温かさも健在。古きよき“昭和”の世界を再び味わって欲しい。出演は、堤真一、薬師丸ひろ子、吉岡秀隆、須賀健太ら、お馴染みの顔ぶれに加え、上川隆也、マギー、渡辺いっけい他。監督は前作と同様の山崎貴。

<レビュー>
山崎貴監督(というか制作側)を評価する気にはなれないのに、作品自体は嫌いになれないという不思議なシリーズである。
山田洋次なんて大したことないけど寅さんシリーズを観ていると心が和む、というのと同じ現象が、世紀末以上に終末感漂うこの2000年代に再現されている。
本作を観た約一週間前(だったと思う。三日以上前の記憶はいつだってあやふやなのだ)、ぼくは「映画崩壊前夜」を図書館から借りて読んでいた。
「映画は常に崩壊前夜にある」という宣言が深く印象に残っていて、それでぼくは映画がいつ終焉するのか分からないものだということを念頭に映画を観てゆこうと思っていた矢先に、この作品を録画していたことを思いだし、そして2000年代にこんな代物を撮ってしまう制作陣の間抜けさを大いに、憂い、おかしみながら観ていた。
冒頭で「ゴジラ」が出てきて、途中で「君の名は」の日本橋のシーンが出てきて、あちらこちらに昭和という時代を象徴する記号がちりばめられていたのだが、何より大事なことは吉岡秀隆が出てきたことだ。
幸か不幸かカメレオン俳優ではない吉岡秀隆は、どんな作品にだって「吉岡秀隆」というイメージを観る側に与える。
だから、吉岡秀隆が出ていることで本作と寅さんシリーズが完全につながりを持ってしまったわけである。
どうせなら吉岡秀隆が呑気な人気娯楽映画シリーズモノの歴史の呪縛を背負ってゆけばよい。
2030年代にまだ映画が生きていれば、そして何らかの人気娯楽映画シリーズがあれば、そのときはきっと五十代になった吉岡秀隆の名前がその映画のエンドクレジットで流れるのだろう。
ところで、三丁目の夕日はそもそもシリーズモノとしてこれからも続いてゆくのだろうか。
本作で終わったとすれば、ここまで書いたことが全て恥ずかしい仮想未来予想図になってしまうわけで、できれば続いて欲しいのである。

踊り子役の小雪が本屋で恋人(吉岡)の投稿された雑誌を手に取ろうとする時の横顔のアップで、
光の差し込む調度のせいかも知れないのだが、一瞬フランス映画に見えた。
妙に印象的なシーンである。

★★★★

                                                   by 駿河シカヲ

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ひたすらに映画
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映画
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<駿河シカヲ>
夜中の12時から3時にかけて映画を観ることが多い。
近所を自転車で疾走している姿をよく目撃されている。

<マダム葵>
短期間でもの凄い本数の映画を観たりする。
夕方の花街でそそくさと歩く後姿を目撃されることがある。
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