宮崎駿監督「ルパン三世 カリオストロの城」を観たよ。
<作品解説・詳細>
ルパン三世 カリオストロの城(1979) - goo 映画
ヨーロッパの小国カリオストロ公国の秘密を暴くルパン三世の活躍を描く劇場用シリーズ第二作目。脚本は宮崎駿と山崎晴哉の共同執筆、監督は宮崎駿、作画監督は大塚康生が担当。
人口三千五百、世界一ちっぽけなカリオストロ公国の田舎道をボロ車でドライブしていたルパンと次元はクラリスという美女を助けた。彼女はカリオストロ公国・大公家に残された最後の娘で、カリオストロ伯爵は彼女を強制的に妻に迎え、公国の権力をひとり占めにしようと狙っていた。クラリスはルパンに助けられたが、再度捕えられてしまう。召使いとして城内に忍び込んでいた不二子の手引きで、彼女の閉じこめられている塔に潜入、彼女を連れて逃げ出そうとすると、床が開いて地下室へ落下。不二子が裏切ったのだ。排水口から脱走するが、辿りついたところは、地下の造幣工場。金を必要としている世界の権力者のためのニセ札の製造だ。これが、四百年もの間、カリオストロ公国が大国から侵略も受けずにこられた秘密。ルパンは放火魔に変身、城は火の海となった。しかし、いったんは奪還したクラリスがまたして、捕まってしまい、カリオストロと彼女の結婚式が行なわれようとしていた。伯爵の企みは成功するかに見えたが、大司教になりすましたルパンが二人の前に立ちはだかり・・・。
<レビュー>
ルパン三世のシリーズの中でもカリオストロは最高傑作として名高い(ただし一部のルパンフリークスには不評のようだ)。
にも関わらず今回が20代後半にして初見なのでした。
それどころかぼくはルパンシリーズをほとんどまともに観たことがない。
よって、シリーズの他の作品と比較は出来ないが、とにかく言えることは、極めて質の高いアニメであったということである。
はじまってすぐの、ルパンと次元がカリオストロの王女クラリスを救うカーチェイスシーンの躍動感は、宮崎駿の真骨頂である。
このシーンを見て、やっぱりこれは面白いに違いないと期待するわけです。
で、期待通り徹頭徹尾アクションシーンの躍動感に満ちていて素晴らしいわけです。
カリオストロ城の作りも見事。
まるでそこに自分もクラリスを助け出すためにいざ侵入せしめようとしているかのように錯覚してしまう全体の空間設計。
男なら、男として生まれたのなら、この難攻不落の城に勇気をもって潜入しなければならぬ。
そう、何故ならそこにはシータ、もとい、クラリスが待っているからなのだ。
それはまるで私の人生最高の映画「天空の城ラピュタ」のようではないか。
このような単純に楽しめるボーイミーツガールな冒険活劇だけを作っていてくれたら、100%ポジティブに宮崎駿を肯定できるのだが。
とりあえず、宮崎映画にありがちな説教くささも皆無なので、ぼくはこの作品を擁護したい。
石川五右ヱ衛門がずるいと思う。
「またつまらぬものを斬ってしまった・・・」の一言で心を鷲掴みにしてしまうのだもの。
少なくともこの作品においては彼はただのルパン一味の道具でしかないんですよ。
云わば困った時に重宝する便利なカッターの役目ですよ。
それ以外たいして使われないわけですよ。
ぼくは趣味でギターを弾くんですがね、弦を張るときに、余分な部分をカットするペンチが必要になるわけです。そのペンチが言ってみれば五右エ門なんですね。ペンチはそれ以外使わないわけです。
ルパンがエレキギターで次元がアンプで不二子がエフェクターだとすれば、五右エ門はペンチですよ。
それなのに、彼は非常に格好よろしい。
だからずるい。
他に個人的にあげると、以前マダムが私に指摘していたシーンが良かった。
次元が車内の灰皿から溢れたシケモクを吸うのです。
結構何気無いんだけど、次元大介というキャラクターの肉付けに貢献している素敵なワンシーンだと思います。
★★★★★
駿河シカヲ
夜中の12時から3時にかけて映画を観ることが多い。
近所を自転車で疾走している姿をよく目撃されている。
<マダム葵>
短期間でもの凄い本数の映画を観たりする。
夕方の花街でそそくさと歩く後姿を目撃されることがある。