池田敏春監督「ハサミ男」を観ました。
<作品詳細・解説>
ハサミ男 - goo 映画
相次いで惨殺された2人の女子高生。喉元にハサミが十字架のように突き立てられた遺体の様子から、マスコミは犯人を“ハサミ男”と名付ける。やがて警察の捜査の遅れに非難が集まる中、第三の事件が起こってしまう。夜の公園に十字に横たわる少女の遺体を発見したのは、知夏という若い女性と安永という長身の男。2人はある理由から被害者の少女の身辺を探っているうちに、偶然に遺体の発見者となったのだった。重要参考人として警察の監視下に置かれた知夏と安永は、事件の真相を突き止めねばならない立場に追い込まれてゆく…。
第13回メフィスト賞を受賞し、ミステリーファンの間で大きな話題を集めた殊能将之の「ハサミ男」を映画化したサイコ・スリラー。いわゆる“叙述トリック”を用いた新本格派ミステリは映像化不可能とされることが多いが、本作はそのトリックを逆用した映像のレトリックをて、原作のサイキックな世界に奥深く分け入ることに成功している。この映画化を成功させたのは、ジャンル映画の鬼才として一部に絶大な支持を得る池田敏春監督。
風景、静物、人物の表情をシュールな感覚で折り重ねながら、禍々しい死のイメージと登場人物の心の闇を夢幻的に交感させてゆく手口は、なるほど鬼才の妙技だ。また出演者にも、豊川悦司、麻生久美子、阿部寛といったフォトジェニックな俳優たちが集い、心の内側にひそむ悪意や悲哀をエキセントリックな個性で演じている。
<レビュー>
原作未読。
本来ならそれでも構わないのである。
しかし、今回に限ると原作を読んでおきたかった。
何故なら、原作(殊能将之著、メフィスト賞受賞作)が物凄く面白いらしいのである。
そして、原作の面白さが映画を圧倒的に上回っているらしいのである。
なるほど確かにストーリーだけみると凄くよく出来たミステリーだと思う。
ぼくは評判の悪い映画のほうで、肝心のオチを知ってしまった。
だから原作はこの先読まないだろう。
ちなみに殊能将之のHPの日記が面白い。
昨年友人に教えてもらって以来、いつも拝見している。
だのにぼくは殊能将之の小説を読んだことが無い。
安っぽい映画である。
ところどころ映画的な演出はあるが、どこかしらテレビのサスペンス劇場的な安っぽさがあるのだ。
というよりこういった類の駄目さ加減は悲しくてやるせなくて好きだ。
テレビドラマが映画になった時の駄目さ加減は許せないことが多いのだが、こういう二時間ドラマ的な安っぽさには妙な哀愁がある。
最期の象徴的な十字架のシーン。
これはダーティハリーっぽい。
ところどころこういったシンボルをだしてくるところは、やはり映画的な見せ方なのだろう。
麻生久美子は時折ぞっとするほど美しい。
瞬間的な閃光を発する。
つまり美人なのだ。
そして豊川悦司は相変わらず立っているだけでサマになる。
★★★☆☆
ハサミ男
夜中の12時から3時にかけて映画を観ることが多い。
近所を自転車で疾走している姿をよく目撃されている。
<マダム葵>
短期間でもの凄い本数の映画を観たりする。
夕方の花街でそそくさと歩く後姿を目撃されることがある。