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駿河シカヲとマダム葵による映画レビュー、書評、対談、コラム等のブログであります。 コメントやリンクはいつでも大歓迎でお待ちしております!
2025.05.14,Wed
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2009.05.21,Thu
駿河シカヲです。
ジョン・スタージェス監督「大脱走」を観ました。
なんとも贅沢な作品です。

<作品解説・詳細>
大脱走(1963) - goo 映画

第二次大戦中の出来事。ドイツの誇る、第3捕虜収容所に収容された連合軍将校たちが、大脱走を敢行した一大史実である。原作は当時英空軍スピットファイヤー・パイロットで、実際にこの大仕事に参加していたポール・ブリックヒル。1950年に出版された著書“ザ・グレート・エスケープ"は超ベスト・セラーになった。製作者兼監督は「荒野の3軍曹」のジョン・スタージェス。撮影は「ウエスト・サイド物語」でアカデミー賞を獲得したダニエル・L・ファップ。脚色は「アスファルト・ジャングル」の著書で知られるW・R・バーネットとジェームズ・クラベルが共同で担当している。音楽は「終身犯」のエルマー・バーンスタイン。出演者は「戦う翼」のスティーヴ・マックィーン、チャールズ・ブロンスン、ジェームズ・コバーンをはじめ、「噂の二人」のジェームズ・ガーナー、英国からリチャード・アッテンボロー「ロベレ将軍」のハンネス・メッセマーなど。

※ストーリーの結末が記載されているので注意!
新たに作られたドイツの北部第3捕虜収容所に、札つきの脱走常習者・連合軍空軍将校たちが運び込まれた。しかし早くも“心臓男"と異名をとったヒルツ(スティーブ・マックィーン)は鉄条網を調べ始めるし、ヘンドレー(ジェームズ・ガーナー)はベンチをトラックから盗み出す始末だ。まもなく、ビッグXと呼ばれる空軍中隊長シリル(リチャード・アッテンボー)が入ると、大規模な脱走計画が立てられた。まず、森へ抜ける数百フィートのトンネルが同時に掘り始められた。それはトム・ディックハリーと名付けられた。全員250名が逃げ出すという企みだ。アメリカ独立記念日トムが発覚してつぶされた。が、ほかの2本は掘り続けられた。しかし、あいにくなことに掘り出し口が看取小屋の近くだったため、脱走計画は水泡に帰し、逃げのびたのはクニー(チャールズ・ブロンソン)と、彼の相手ウィリイだけであった。激怒した収容所ルーゲル大佐が、脱走者50名を射殺したと威嚇した。やがて、“勇ましい脱走者"の生存者を乗せたトラックが到着したとき、ゲシュタポの車が収容所の入口に止まり、ルーゲルは重大過失責任で逮捕された。かくてドイツ軍撹乱という彼らの大使命は果たされたが、幾多の尊い生命が失われていった。再び収容所に静けさが訪れたが、ヒルツやヘンドレイは相変わらず逃亡計画を練りあちらこちらでその調査が始まっていた・・・。

<レビュー>
スティーブ・マックイーンの過剰なスター性はいったい何なのだろうか。
この作品におけるマックイーンは主役級ではあるけれども完全な主役ではない。
しかし彼は完全な主役であろうとする。
何様のつもりだと言ってやりたくなるほどの傲慢さがある。
大脱走を果たしたあと、バイクで逃げる長いくだりが彼のために用意されている。
この話は実は意外にシビアで、結局彼は捕まってしまうのだが、バイクをぶっ飛ばすシーンは「自由への疾走」と言うのにふさわしいような爽快さがある。
拘束から解放された広大な大地が、収容所という閉じた空間との効果的な対比になっている。
あの大地をバイクで格好良く走らせる人物は、キャスト陣の中でマックイーンしかいないだろう。
スターにしか許されないのである。
やはりチャールズ・ブロンソンには許されないのだ。

この映画はアルドリッチと同じく、男が観てわくわくする映画である。
少年は作戦を立てて集団で何かを成し遂げるのが好きなのだ。
諜報係、調達係、参謀、ボス、一匹狼、伝令係、等々の上に成り立つ組織が好きなのだ。
いわば集団ロールプレイングゲームが好きだったはずなのだ。
だからこういった映画を観たときには心踊るものがある。
オーシャンズ11しかり、ルパン三世しかり、プライベートライアンしかり、七人のおたくしかり、ロールプレイングの特性を持つ作品はすでに前提で面白いのである。

ここから全然関係ない話。
というか揚げ足とりの悪口なので聞き流してください。
この映画は「大人の追いかけっこ」という感じがする。
ただし正確には、遊びでは決してないから「追いかけっこ」と言うのは間違いである。
で、思い出したんだけど、「リアル鬼ごっこ」という有名な作品がありますね。
あれは作者に言わせればリアルな鬼ごっこなのかも知れないけど、鬼ごっこ自体が既にリアルに存在しているものだから、リアル鬼ごっこも「ただの鬼ごっこ」でいいんじゃないでしょうか。
嫌ならせめて「過剰な鬼ごっこ」にして欲しい。
ごっつええ感じに「りあるポンキッキ」という面白いコントがありまして、あれの意図は分かるんです。
ポンキッキのキャラクターが着ぐるみ(つまりフィクション)ではなく本当に生き物として存在したら・・・ということでやっているのです。着ぐるみをフィクションとすることによって、フィクションではなくリアルだったらどうなのか、という発想のもとに名付けられたネーミングです。
だから「りあるポンキッキ」で良いのです。
しかし、鬼ごっこは鬼ごっことして紛れもなくリアルに存在しているのです。
ただし、以下のような反論が容易に想像できます。
鬼ごっこが「遊び(つまりフィクション)」ではなく、捕まったら本当に殺される、だからリアル鬼ごっこなのだ、と。
でも、鬼「ごっこ」と言っている時点でリアル鬼ごっこも遊びでしかないのですよ。
「鬼ごっこ」も「リアル鬼ごっこ」も遊びである、という部分で矛盾しているのです。
ポンキッキという言葉からでは着ぐるみか生き物かという判断が出来ないからリアルなのかそうじゃないのかという話を作っても良いけれど、鬼ごっこは「ごっこ」という縛りでもって鬼ごっこが「遊び」であるという限定的な定義がなされているのであるから、「リアル鬼ごっこ」というタイトルは間違っているのです。
まあ全部読んでないから分からないけど、リアル鬼ごっこも「遊び」という感覚で作中において実施されたものであるなら尚更、捕まったら殺される鬼ごっこという遊びを、リアル鬼ごっことは断じて言ってはならぬのです。
ごめんなさい。
作品そのものが悪いと言っているわけじゃないです。
あくまでタイトルが悪いという話です。
読んでないけど。

★★★★★

駿河シカヲ 

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駿河シカヲ & マダム葵
性別:
非公開
職業:
ひたすらに映画
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映画
自己紹介:
<駿河シカヲ>
夜中の12時から3時にかけて映画を観ることが多い。
近所を自転車で疾走している姿をよく目撃されている。

<マダム葵>
短期間でもの凄い本数の映画を観たりする。
夕方の花街でそそくさと歩く後姿を目撃されることがある。
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