忍者ブログ
駿河シカヲとマダム葵による映画レビュー、書評、対談、コラム等のブログであります。 コメントやリンクはいつでも大歓迎でお待ちしております!
2025.05.14,Wed
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2009.05.20,Wed
駿河シカヲです。
宮崎駿監督「紅の豚」を観ました。

<作品解説・詳細>
紅の豚(1992) - goo 映画
20年代のイタリアを舞台に、豚に変身してしまった飛行機乗りの夢とロマンを描いたアニメ。原作・脚本・監督は「魔女の宅急便」の宮崎駿。作画監督は賀川愛と河口俊夫が共同でそれぞれ担当。

※ストーリーの結末が記載されているので注意!
第一次大戦時、イタリア空軍のエース・パイロットだったポルコ・ロッソ。彼はある事がもとで自分に魔法をかけ、豚に姿を変えた。今ではアドリア海にはびこる空賊を捕らえる賞金稼ぎ。その彼を煙たがる空賊達はポルコを倒すため、アメリカのパイロット、ドナルド・カーチスを雇い入れた。腕はやたら立つくせに、どこか陽気で女に惚れっぽい気のいい奴だ。彼は、エンジンの不調に手を焼くポルコを待ち伏せて、まんまと撃墜に成功する。ポルコのかつての飛行機仲間であり、今はホテル・アドリアーノのマダムであるジーナに一目惚れしていたカーチスは、ポルコがいない間に彼女に言い寄るが、私には待っている人がいると、あっさりかわされてしまう。ポルコは壊れた愛機を馴染みの修理工場ピッコロ社へと運び込む。そこで出会うピッコロの孫娘・フィオ。艇の設計改造をやるという彼女に、ポルコは一旦は憤慨するものの、熱意に満ちた彼女に負けて全てを任せてしまう。快活で屈託のない彼女の姿がポルコには新鮮に映った。そして完成したポルコ艇は想像通り完璧だった。やがてフィオはポルコ艇に乗り込み、彼と行動をともにする。蘇った艇を操り、ようやくアジトに戻ったポルコたちを待ち受けていたのは、例の空賊どもだった。地上でポルコを襲う彼らの卑劣さにフィオは激怒し、彼らにポルコ対カーチスの再試合を迫る。そこへ颯爽と登場するカーチス。高飛車に出ようと格好をつけるカーチスだったが、フィオを見るなり再び一目惚れ。彼女を賭けるという条件で話に乗ってしまう。決闘の前夜、ポルコはフィオにせがまれるままに、第一次大戦での体験を語った。そして遂にやって来た決闘当日、大勢の空賊やフィオに見守られながら大空中戦を繰り広げるポルコとカーチス。果ては2人の殴り合いとなりポルコはカーチスを倒すのだった。

<レビュー>
 
初めて観る名作ならまだしも、昔から何度も観ている名作の素晴らしさを今更語るのは難しい。
だから今回は本作の脚本や演出や印象的なシーンや登場人物のキャラクターなどには一切触れず、本作の上映時間に焦点を絞ることにする。
紅の豚の上映時間は約90分である。
90分が今のぼくにとっては最もベストな時間だ。
120分だと長い。
ちなみに押井守は90分という長さこそが映画上映時間の黄金律であるという信条を持っていて、90分におさめるためにシーンをバッサバッサと容赦なくカットしてゆくらしい。

ゴダールに言わせると、映画は「1秒間に24の死」なのである。
現在はVHF、DVD、その他録画機能が家庭に普及しているから、気になったシーンを巻き戻し再生できるけれども、映画館でしか映画を観ることができなかった昔は、シーンひとつひとつを克明に記憶しようとする想いが強かったと考えられないこともない。
動体視力もためされるわけだ。
映画を観るということは、「1秒間に24の死」があるという映画の持つ恐怖に耐えることであり、その恐怖に耐えたものだけが映画を語る資格がある、というのは蓮實重彦の弁。
これは非常に鋭い指摘である。
蓮實氏などは評論家だから「1分間に24の死」という映画の定義に尚更敏感に反応したのだろう。
昔の映画評論家は現在のように何度も見直しながら映画評論の原稿を書くことができなかっただろうから。
一瞬一瞬を平気で見逃す人間は映画を観たことにはならない。
これは恐るべき忠告である。
画面に何が映っているのか、そして何が画面から消え去ったのか、ただそれを注視するだけで本来精一杯なのではないか。

これを実践していると、今のぼくでは90分が限界なのです。
要は集中力の問題なのです。
ヘトヘトで仕事から帰ってきて、夕飯を食べてシャワーを浴びたら映画を観るのがだいたいの日課なのだが、よっぽど面白い映画でないと一時間を過ぎたあたりで眠くなってくるのです。
最近は二日間に分けて観たりします。
今日だってヴェンダ-スのランドオブプレンティという素晴らしい作品を一時間で中座しているのです。
残りは明日観るのです。
だから、ぶっちゃけ60分でいいんです。
でも60分にまとめるのは難しい。
だから90分で手を打とう、ということなのですね。

ということでした。
「紅の豚」は言うまでもなく、90分の名作です。

★★★★★
駿河シカヲ
PR
Comments
Post a Comment
Name :
Title :
E-mail :
URL :
Comments :
Pass :   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
TrackBack URL
TrackBacks
CALENDAR
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
RECENT COMMENTS
[11/16 マダム葵]
[06/25 駿河シカヲ]
[06/24 マダム葵]
[04/30 駿河シカヲ]
[02/20 駿河シカヲ]
About
HN:
駿河シカヲ & マダム葵
性別:
非公開
職業:
ひたすらに映画
趣味:
映画
自己紹介:
<駿河シカヲ>
夜中の12時から3時にかけて映画を観ることが多い。
近所を自転車で疾走している姿をよく目撃されている。

<マダム葵>
短期間でもの凄い本数の映画を観たりする。
夕方の花街でそそくさと歩く後姿を目撃されることがある。
SEARCH THIS SITE
RECENT TRACKBACKS
MOBILE
忍者ブログ [PR]