駿河シカヲとマダム葵による映画レビュー、書評、対談、コラム等のブログであります。
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2008.12.27,Sat
駿河シカヲである。
今回はフランシス・F・コッポラ監督の「地獄の黙示録・特別完全版」です。
ある意味では壮大な失敗作と言えますが・・・。
<作品解説・詳細>
地獄の黙示録・特別完全板(2001) - goo 映画
ベトナム戦争下、任務を遂行するアメリカ兵の狂気を描いた戦争映画の特別完全版。1979年に製作され話題を呼んだオリジナル版に、53分の未公開映像を加えて再編集されたディレクターズ・カット版。監督は、「ドラキュラ」のフランシス・フォード・コッポラ。脚本は、「今、そこにある危機」のジョン・ミリアス。撮影は、「タンゴ」のヴィットリオ・ストラーロ。音楽は、コッポラの父親である「ニューヨーク・ストーリー」のカーマイン・コッポラ。主演は、「スコア」のマーロン・ブランド、「シックス・ディ」のロバート・デュバル、「スポーン」のマーティン・シーン、「ブレイブ」のフレデリック・フォレスト、「スピード」のデニス・ホッパーほか。
※結末が記載されているので、注意!!
狂うような暑さのサイゴンの夏。ブラインドの降りたホテルの一室で、ウィラード大尉(マーティン・シーン)は空ろな視線を天井に向けていた。505大隊、173空挺隊所属、特殊行動班員である彼に、それからまもなく、ナ・トランの情報指令本部への出頭命令が下った。本部では3人の男が彼を待ちうけており、そのうちの1人がウィラードに、今回の出頭目的を説明した。それは第5特殊部隊の作戦将校であるウォルター・E・カーツ(マーロン・ブランド)を殺せという命令だった。カーツはウェストポイント士官学校を主席で卒業し、空挺隊員として朝鮮戦争に参加、数々の叙勲歴を持つ軍部最高の人物であったが現地人部隊を組織するという目的でナン川上流の奥地に潜入してからは、彼の行動が軍では統制できない異常な方向へと進んでいった。情報によると彼はジャングルの奥地で原地人を支配し、軍とはまったく連絡を絶ち、自らの王国を築いている、というのだ。そのアメリカ軍の恥である錯乱者カーツを暗殺しなければならない、というのが軍の考えだった。この密命を受けた若い兵士ウィラードは、4人の部下、クリーン(ローレンス・フィッシュバーン)、ランス(サム・ボトムス)、シェフ(フレデリック・ホレスト)、チーフ(アルバート・ホール)を連れ、巡回艇PBRに乗り込んだ。まず、ウィラードは、危険区域通過の護衛を依頼すべく、空軍騎兵隊第一中隊にキルゴア中佐(ロバート・デュヴァル)を訪ねた。ナパーム弾の匂いの中で目覚めることに歓びさえ感じているキルゴアは、花形サーファーであるランスを見ると彼にサーフィンを強要した。ワーグナーの“ワルキューレの騎行"が鳴り響く中、キルゴアの号令で数千発のナパーム弾がベトコン村を襲った。キルゴアのもとを発った彼らは、カーツの王国へとPBRを進めた。河岸に上陸するたびにウィラードに手渡される現地部隊からの機密書には、カーツの詳細な履歴と全行動が記されており、読めば読む程ウィラードには、軍から聞いたのとは別の人物であるカーツが浮び上ってきていた。王国に近づいたころ、クリーンが死に、チーフも死んだ。そして、王国についた時、ウィラードはそこで、アメリカ人のカメラマン(デニス・ホッパー)に会い、彼から王国で、“神"と呼ばれているカーツの真の姿を聞かされる。カーツは狂人なのだろうか。それとも偉大な指導者なのだろうか。ウィラードにもわからなかった。そして遂にカーツとの対面の日がきた。テープレコーダーや本に囲まれたカーツの元にやってきたウィラードは、軍の命令に従い、“神"と呼ばれる人間カーツを殺すのだった。
<レビュー>
なんというアンバランスな大作なのだろう。
カーツ大佐の登場前と後で、まったく違う映画のようだ。
途中までこりゃ傑作だなあとおもっていたのだが、カーツ大佐が登場してからは、
とにかくダルい。
だが、そんなことはどうでも良いのだ。
マーロン・ブランドが大したことないとか、ドアーズがどうだとか、
サイケデリックな演出がどうだとか、どうでも良い。
この映画で語るべき点は、以下の二つである。
その一: 実はカーツよりイカレている異常者、キルゴア中佐
この男の魅力は尋常ではない。約三十分の出演で、全部かっさらっていったような気がする。
とにかく観て欲しい。
気になる方は、これを見てくれ。
http://www.hawk13.jp/baka/kilgore/kilgore.html
地獄の黙示録を観たものは、みんな魔人キルゴアのファンになるのである。
その二:プレイガールズ降臨
プレイガールズが慰問するシーン。
光に包まれてヘリから降りてくるのだが、
何故か異常に美しいのである。
無駄に美しいのである。
映画的な戦慄。
ということで、こんなクソ長い映画を観るのが嫌だ、という人は、
この二つのシーンだけでも見て欲しい。
せめて、キルゴア中佐のでてくる三十分だけでも。
言ったことを二秒で忘れるキルゴア。
サーフィンをするためにベトコンの村を襲うキルゴア。
絶対に被弾しないキルゴア。
ワルキューレの音楽にのせて村を襲う時のスペクタクルな映像。
そして、ナパーム弾で森を一瞬で焼き払う時(無音)の凄まじさ。
あの三十分だけで、多分ゴッドファーザーpart3一本分ぐらいの価値はあると思うよ。
★★★★☆
今回はフランシス・F・コッポラ監督の「地獄の黙示録・特別完全版」です。
ある意味では壮大な失敗作と言えますが・・・。
<作品解説・詳細>
地獄の黙示録・特別完全板(2001) - goo 映画
ベトナム戦争下、任務を遂行するアメリカ兵の狂気を描いた戦争映画の特別完全版。1979年に製作され話題を呼んだオリジナル版に、53分の未公開映像を加えて再編集されたディレクターズ・カット版。監督は、「ドラキュラ」のフランシス・フォード・コッポラ。脚本は、「今、そこにある危機」のジョン・ミリアス。撮影は、「タンゴ」のヴィットリオ・ストラーロ。音楽は、コッポラの父親である「ニューヨーク・ストーリー」のカーマイン・コッポラ。主演は、「スコア」のマーロン・ブランド、「シックス・ディ」のロバート・デュバル、「スポーン」のマーティン・シーン、「ブレイブ」のフレデリック・フォレスト、「スピード」のデニス・ホッパーほか。
※結末が記載されているので、注意!!
狂うような暑さのサイゴンの夏。ブラインドの降りたホテルの一室で、ウィラード大尉(マーティン・シーン)は空ろな視線を天井に向けていた。505大隊、173空挺隊所属、特殊行動班員である彼に、それからまもなく、ナ・トランの情報指令本部への出頭命令が下った。本部では3人の男が彼を待ちうけており、そのうちの1人がウィラードに、今回の出頭目的を説明した。それは第5特殊部隊の作戦将校であるウォルター・E・カーツ(マーロン・ブランド)を殺せという命令だった。カーツはウェストポイント士官学校を主席で卒業し、空挺隊員として朝鮮戦争に参加、数々の叙勲歴を持つ軍部最高の人物であったが現地人部隊を組織するという目的でナン川上流の奥地に潜入してからは、彼の行動が軍では統制できない異常な方向へと進んでいった。情報によると彼はジャングルの奥地で原地人を支配し、軍とはまったく連絡を絶ち、自らの王国を築いている、というのだ。そのアメリカ軍の恥である錯乱者カーツを暗殺しなければならない、というのが軍の考えだった。この密命を受けた若い兵士ウィラードは、4人の部下、クリーン(ローレンス・フィッシュバーン)、ランス(サム・ボトムス)、シェフ(フレデリック・ホレスト)、チーフ(アルバート・ホール)を連れ、巡回艇PBRに乗り込んだ。まず、ウィラードは、危険区域通過の護衛を依頼すべく、空軍騎兵隊第一中隊にキルゴア中佐(ロバート・デュヴァル)を訪ねた。ナパーム弾の匂いの中で目覚めることに歓びさえ感じているキルゴアは、花形サーファーであるランスを見ると彼にサーフィンを強要した。ワーグナーの“ワルキューレの騎行"が鳴り響く中、キルゴアの号令で数千発のナパーム弾がベトコン村を襲った。キルゴアのもとを発った彼らは、カーツの王国へとPBRを進めた。河岸に上陸するたびにウィラードに手渡される現地部隊からの機密書には、カーツの詳細な履歴と全行動が記されており、読めば読む程ウィラードには、軍から聞いたのとは別の人物であるカーツが浮び上ってきていた。王国に近づいたころ、クリーンが死に、チーフも死んだ。そして、王国についた時、ウィラードはそこで、アメリカ人のカメラマン(デニス・ホッパー)に会い、彼から王国で、“神"と呼ばれているカーツの真の姿を聞かされる。カーツは狂人なのだろうか。それとも偉大な指導者なのだろうか。ウィラードにもわからなかった。そして遂にカーツとの対面の日がきた。テープレコーダーや本に囲まれたカーツの元にやってきたウィラードは、軍の命令に従い、“神"と呼ばれる人間カーツを殺すのだった。
<レビュー>
なんというアンバランスな大作なのだろう。
カーツ大佐の登場前と後で、まったく違う映画のようだ。
途中までこりゃ傑作だなあとおもっていたのだが、カーツ大佐が登場してからは、
とにかくダルい。
だが、そんなことはどうでも良いのだ。
マーロン・ブランドが大したことないとか、ドアーズがどうだとか、
サイケデリックな演出がどうだとか、どうでも良い。
この映画で語るべき点は、以下の二つである。
その一: 実はカーツよりイカレている異常者、キルゴア中佐
この男の魅力は尋常ではない。約三十分の出演で、全部かっさらっていったような気がする。
とにかく観て欲しい。
気になる方は、これを見てくれ。
http://www.hawk13.jp/baka/kilgore/kilgore.html
地獄の黙示録を観たものは、みんな魔人キルゴアのファンになるのである。
その二:プレイガールズ降臨
プレイガールズが慰問するシーン。
光に包まれてヘリから降りてくるのだが、
何故か異常に美しいのである。
無駄に美しいのである。
映画的な戦慄。
ということで、こんなクソ長い映画を観るのが嫌だ、という人は、
この二つのシーンだけでも見て欲しい。
せめて、キルゴア中佐のでてくる三十分だけでも。
言ったことを二秒で忘れるキルゴア。
サーフィンをするためにベトコンの村を襲うキルゴア。
絶対に被弾しないキルゴア。
ワルキューレの音楽にのせて村を襲う時のスペクタクルな映像。
そして、ナパーム弾で森を一瞬で焼き払う時(無音)の凄まじさ。
あの三十分だけで、多分ゴッドファーザーpart3一本分ぐらいの価値はあると思うよ。
★★★★☆
駿河シカヲ
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HN:
駿河シカヲ & マダム葵
性別:
非公開
職業:
ひたすらに映画
趣味:
映画
自己紹介:
<駿河シカヲ>
夜中の12時から3時にかけて映画を観ることが多い。
近所を自転車で疾走している姿をよく目撃されている。
<マダム葵>
短期間でもの凄い本数の映画を観たりする。
夕方の花街でそそくさと歩く後姿を目撃されることがある。
夜中の12時から3時にかけて映画を観ることが多い。
近所を自転車で疾走している姿をよく目撃されている。
<マダム葵>
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