駿河シカヲである。
今回は世界の巨匠、溝口健二監督の「山椒大夫」について。
<予告編>
http://jp.youtube.com/watch?v=PAQMXboXgmI&feature=related
<作品解説・詳細>
山椒大夫(1954) - goo 映画
森鴎外の原作(大正五年一月“中央公論"発表)を「唐人お吉」の依田義賢、「鯉名の銀平(1954)」の八尋不二が再解釈を加えて脚色、「祇園囃子」の溝口健二が監督にあたった。撮影宮川一夫、音楽早坂文雄と溝口作品のレギュラー・スタッフの他、建築考証に日本古建築専攻の藤原義一、衣裳考証に「西鶴一代女」その他に協力した上野芳生が加わっている。「恋文(1953)」の田中絹代、香川京子、新派の若手花柳喜章、「にごりえ」の三津田健、「にっぽん製」の菅井一郎、「心臓破りの丘」の清水将夫、「男の血祭」の進藤英太郎などが出演。
※結末が書かれているので注意!!
平安朝の末期、越後の浜辺を子供連れの旅人が通りかかった。七年前、農民の窮乏を救うため鎮守府将軍に楯をつき、筑紫へ左遷された平正氏の妻玉木、その子厨子王と安寿の幼い兄妹、女中姥竹の四人である。その頃越後に横行していた人買は、言葉巧みに子供二人を母や姥竹と別の舟に乗せて引離した。姥竹は身を投げて死に母は佐渡へ売られ、子供二人は丹後の大尽山椒大夫のもとに奴隷として売られた。兄は柴刈、妹は汐汲みと苛酷な労働と残酷な私刑に苦しみながら十年の日が流れた。大夫の息子太郎は父の所業を悲んで姿を消した。佐渡から売られて来た小萩の口すさんだ歌に厨子王と安寿の名が呼ばれているのを耳にして、兄妹は母の消息を知った。安寿は厨子王に逃亡を勧め、自分は迫手を食止めるため後に残った。首尾よく兄を逃がした上で安寿は池に身を投げた。厨子王は中山国分寺にかくれ、寺僧の好意で追手の目をくらましたが、この寺僧こそは十年前姿を消した太郎であった。かくして都へ出た厨子王は関白師実の館へ直訴し、一度は捕われて投獄されたが、取調べの結果、彼が正氏の嫡子である事が分った。然し正氏はすでに配所で故人になっていた。師実は厨子王を丹後の国守に任じた。彼は着任すると、直ちに人身売買を禁じ、右大臣の私領たる大夫の財産を没収した。そして師実に辞表を提出して佐渡へ渡り、「厨子王恋しや」の歌を頼りに、落ちぶれた母親と涙の対面をした。
<レビュー>
まず、これを読んで欲しい。
ぼくの敬愛するビクトルエリセと山椒大夫の出会い。
http://www.acejapan.or.jp/film/list/mizoguchi/Erice.html
ある映画のことを書くとき、
その映画が素晴らしければ素晴らしいほど書きづらくなる。
この作品はまさにそれの最たるもので、「とにかく観てください」という他はない。
美しい。
特に、安寿の入水シーン、ラストシーン、この二つの美しいシーンを観た時は、
映画が好きで良かった、と思えて泣けてきた。
間違いなく今年のベスト1。
そして、人生のベスト3にはいる作品。
美しさ・・・★★★★★★★
田中絹代・・・★★★★★
香川京子・・・★★★★★★★
衝撃・・・★★★★★★★
駿河シカヲ
夜中の12時から3時にかけて映画を観ることが多い。
近所を自転車で疾走している姿をよく目撃されている。
<マダム葵>
短期間でもの凄い本数の映画を観たりする。
夕方の花街でそそくさと歩く後姿を目撃されることがある。