駿河シカヲとマダム葵による映画レビュー、書評、対談、コラム等のブログであります。
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2009.02.04,Wed
こんばんは。駿河シカウィッシュです。
「死ね」と思った人は、ぼくを殺して欲しい。
自宅で待ってます。
今回は三隅研次『座頭市物語』です。
<作品解説・あらすじ>
座頭市物語(1962) - goo 映画
子母沢寛の随筆集「ふところ手帖」から「色の道教えます 夢三夜」の犬塚稔が脚色、「銭形平次捕物控 美人蜘蛛」の三隅研次が監督した遊侠もの。撮影は「蝙蝠屋敷」の牧浦地志。
※ストーリーの結末が記されているので注意!
下総飯岡の貸元助五郎の所へ草鞋を脱いだ異風なやくざは、坊主で盲目で人呼んで座頭市。ツボ振りでも居合抜きでも目明きの及ばぬ市の腕を見込んだ助五郎は、彼を客分扱いにし乾分蓼吉を世話係につけた。やくざ嫌いでやくざの飯を食う市は、釣で逢った病身の浪人平手造酒と心をふれ合う思いをしたが、その造酒は助五郎とは犬猿の仲の笹川親分の食客となった。助五郎は新興勢力の笹川一家を叩き潰す機会を狙っているが、その時は市と造酒の面白い勝負が見られると乾分たちにうそぶいた。その頃、身投げしたか落されたか蓼吉の女お咲が水死体となって溜池に浮かんだ。何気なくそこを訪れた市は再び造酒と逢い、その夜二人は酒をくみかわした。お互いに相手の剣に興味を持ったが、やくざの喧嘩に巻込まれて斬り合うのは御免だと笑い合った。この時造酒を訪れた笹川の繁造は、市が飯岡の客分と知り乾分に市を斬るよう命じた。帰り途、市を襲った乾分は市の刀に一たまりもなかった。市の腕前に驚いた繁造は、造酒に喧嘩の助勢を頼んだが造酒は頭から断った。一方、市は昨夜の答礼に酒を贈ろうと思い蓼吉にその使いを頼んだが、代りに行った弟分の猪助は間もなく無惨な死体となって飯岡の鉄火場で発見された。笹川は、この機会を利用して喧嘩を売る決意をしたがそんな時、造酒が血を吐いて倒れてしまった。それを知った助五郎は好機到来とばかり喧嘩支度にかかった。笹川の繁造は、飯岡勢を笹川宿場の迷路へさそい込み座頭市は鉄砲でうちとる策略を立てた。それを知った病床の造酒は鉄砲をうつことだけはやめてくれ、その代り自分が働くと繁造に頼むのだった。そこへ造酒を訪ねた市は、彼が友情のため死を決して喧嘩に加わったことを知った。笹川の作戦は功を奏し飯岡方は苦戦に陥った。血をはきながら斬りまくる造酒。その行手には座頭市が立っていた。ついに二人の宿命的な対決の時が来たのであった。座頭市の剣に造酒は倒れた。座頭市は彼を慕うおたねと共に下総を去っていくのだった。
<レビュー>
勝新太郎といえば座頭市であり、三隅研次といえば座頭市である。
座頭市シリーズをこうしてはじめて観たわけであるが(北野武のは観たことがある)、
想像していたものとは結構違っていた。
これからそれら点をあげてゆく。
まず、冒頭のシーン。杖をついて歩く盲目の勝新が、盲目ゆえに目測をあやまってつまずく。
ここで、あれ?と思う。
はたしてこの盲目の男が戦いで勝てるのか、と。
座頭市に対して無敵の超人をイメージしていたぼくはまず違和感を覚えた。
それから、殺陣のシーンが思ったより少ない。
座頭市が仕込み杖を抜くのはたしか二回しかないし、
実際に戦うのは最後だけである(ちなみに敵役の天知茂は非常に良い味をだしている)。
しかし、いざ剣を抜いたときのインパクトは凄い。
勝新の驚異的な瞬速抜刀術は、観る価値が大いにある。
ただ、それだけを期待して観たら、かなり出し惜しみしてくるのでイライラするかもしれない。
そして、勝負は一瞬で決まる。
それがとてもかっこいい。
三点目は、思ったより暗いということ。
ダーティーハリーをはじめて観た時に残った苦々しい感覚に似ている。
これはただのエンターテイメント時代劇では無い。
★★★★☆
「死ね」と思った人は、ぼくを殺して欲しい。
自宅で待ってます。
今回は三隅研次『座頭市物語』です。
<作品解説・あらすじ>
座頭市物語(1962) - goo 映画
子母沢寛の随筆集「ふところ手帖」から「色の道教えます 夢三夜」の犬塚稔が脚色、「銭形平次捕物控 美人蜘蛛」の三隅研次が監督した遊侠もの。撮影は「蝙蝠屋敷」の牧浦地志。
※ストーリーの結末が記されているので注意!
下総飯岡の貸元助五郎の所へ草鞋を脱いだ異風なやくざは、坊主で盲目で人呼んで座頭市。ツボ振りでも居合抜きでも目明きの及ばぬ市の腕を見込んだ助五郎は、彼を客分扱いにし乾分蓼吉を世話係につけた。やくざ嫌いでやくざの飯を食う市は、釣で逢った病身の浪人平手造酒と心をふれ合う思いをしたが、その造酒は助五郎とは犬猿の仲の笹川親分の食客となった。助五郎は新興勢力の笹川一家を叩き潰す機会を狙っているが、その時は市と造酒の面白い勝負が見られると乾分たちにうそぶいた。その頃、身投げしたか落されたか蓼吉の女お咲が水死体となって溜池に浮かんだ。何気なくそこを訪れた市は再び造酒と逢い、その夜二人は酒をくみかわした。お互いに相手の剣に興味を持ったが、やくざの喧嘩に巻込まれて斬り合うのは御免だと笑い合った。この時造酒を訪れた笹川の繁造は、市が飯岡の客分と知り乾分に市を斬るよう命じた。帰り途、市を襲った乾分は市の刀に一たまりもなかった。市の腕前に驚いた繁造は、造酒に喧嘩の助勢を頼んだが造酒は頭から断った。一方、市は昨夜の答礼に酒を贈ろうと思い蓼吉にその使いを頼んだが、代りに行った弟分の猪助は間もなく無惨な死体となって飯岡の鉄火場で発見された。笹川は、この機会を利用して喧嘩を売る決意をしたがそんな時、造酒が血を吐いて倒れてしまった。それを知った助五郎は好機到来とばかり喧嘩支度にかかった。笹川の繁造は、飯岡勢を笹川宿場の迷路へさそい込み座頭市は鉄砲でうちとる策略を立てた。それを知った病床の造酒は鉄砲をうつことだけはやめてくれ、その代り自分が働くと繁造に頼むのだった。そこへ造酒を訪ねた市は、彼が友情のため死を決して喧嘩に加わったことを知った。笹川の作戦は功を奏し飯岡方は苦戦に陥った。血をはきながら斬りまくる造酒。その行手には座頭市が立っていた。ついに二人の宿命的な対決の時が来たのであった。座頭市の剣に造酒は倒れた。座頭市は彼を慕うおたねと共に下総を去っていくのだった。
<レビュー>
勝新太郎といえば座頭市であり、三隅研次といえば座頭市である。
座頭市シリーズをこうしてはじめて観たわけであるが(北野武のは観たことがある)、
想像していたものとは結構違っていた。
これからそれら点をあげてゆく。
まず、冒頭のシーン。杖をついて歩く盲目の勝新が、盲目ゆえに目測をあやまってつまずく。
ここで、あれ?と思う。
はたしてこの盲目の男が戦いで勝てるのか、と。
座頭市に対して無敵の超人をイメージしていたぼくはまず違和感を覚えた。
それから、殺陣のシーンが思ったより少ない。
座頭市が仕込み杖を抜くのはたしか二回しかないし、
実際に戦うのは最後だけである(ちなみに敵役の天知茂は非常に良い味をだしている)。
しかし、いざ剣を抜いたときのインパクトは凄い。
勝新の驚異的な瞬速抜刀術は、観る価値が大いにある。
ただ、それだけを期待して観たら、かなり出し惜しみしてくるのでイライラするかもしれない。
そして、勝負は一瞬で決まる。
それがとてもかっこいい。
三点目は、思ったより暗いということ。
ダーティーハリーをはじめて観た時に残った苦々しい感覚に似ている。
これはただのエンターテイメント時代劇では無い。
★★★★☆
駿河シカヲ
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HN:
駿河シカヲ & マダム葵
性別:
非公開
職業:
ひたすらに映画
趣味:
映画
自己紹介:
<駿河シカヲ>
夜中の12時から3時にかけて映画を観ることが多い。
近所を自転車で疾走している姿をよく目撃されている。
<マダム葵>
短期間でもの凄い本数の映画を観たりする。
夕方の花街でそそくさと歩く後姿を目撃されることがある。
夜中の12時から3時にかけて映画を観ることが多い。
近所を自転車で疾走している姿をよく目撃されている。
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