松尾スズキ監督「クワイエットルームにようこそ」を観ました。
<公式サイト>
http://www.quietroom-movie.com/
<作品解説・詳細>
クワイエットルームにようこそ - goo 映画
佐倉明日香は28歳のフリーライター。ようやく手にした署名コラムの執筆は行き詰まり、同棲相手ともすれ違いが続く微妙な状態。そんなある日、明日香は気がついたら、真っ白な部屋のベッドに拘束されていた。やってきたナースに「アルコールと睡眠薬の過剰摂取により、丸2日間昏睡状態だった」と説明されても、記憶があちこち欠如した明日香は戸惑うばかり。だが非日常的な空間で見知らぬ人々と出会ううち、明日香の中で何かが変わり始める…。
劇作家、俳優、コラムニスト、小説家などマルチな才能を持つ松尾スズキ、待望の長編監督第2弾。しかも今回は、芥川賞候補になった自作小説の映画化だけに、松尾ワールド全開だ。ちょっと風変わりな人々が繰り広げる、ゆる~い笑いの奥から現れるのは、意外にもリアルで等身大の“人間”たち。舞台が精神病院の閉鎖病棟だけに、ともすればへビーになりすぎる内容だが、役柄を自分のものにしてサラリと演じきった俳優たちと、監督の絶妙なお笑いセンスで、軽やかに仕上がっている。特に“ごく普通の28歳”(本当は違うけど…)を自然体で演じた内田有紀が、彼らの世界と私たちの日常は紙一重なんだ、と感じさせてくれる。それにしても蒼井優の“患者ぶり”は、真に迫りすぎていて怖いほど。必見!
<レビュー>
こういう雰囲気の映画が最近の邦画の主流なんですかね。
シリアスな内容を演劇風のコメディタッチで仕上げる感じ。
ぼくはこの流れをなんとしてもストップして欲しいのです。
そもそも松尾スズキは才能はあっても映画的なセンスが無いと思うのです。
単純に好みの問題もあるんだけど、それにしても駄目だと思います。
これはクドカンにも言えることです。
でも、恋の門よりは楽しめた。
演者が良かったからでしょう。
内田有紀の評価が高いようですが、それは内田有紀が思いのほか頑張っていたってだけの話で、
主役だったらあのぐらいは当たり前だと思うのです。
やっぱり凄いのは蒼井優ですね。
彼女はいつも凄いですね。
「リリィシュシュのすべて」ではじめて彼女をみてからずっといいなあと思っているのですが、それにしてもあの作品で同じくデビューした市原隼人くんとはすっかり正反対のベクトルにいってしまいましたね。
大竹しのぶはやっぱり何をやらせても役者ですね。
達者なのは分かるのですが、良くも悪くも、自然な人間ではなく、役者としての人間になってしまいます。
まあでも見ごたえがあって良いです。
そして何より良いのは平岩紙さんです。
ぼくは松尾スズキの映画は好きじゃないけど、松尾スズキの劇団の役者は実のところ大好きです。
荒川良々なんかはもう最高ですね。
山本浩司、山本剛史、そして大人計画の荒川良々が日本現代映画の三大怪優だと思っております。
で、大人計画の最終兵器が平岩紙さんです。
彼女は決して美人ではないのだけれど、なぜかかわいいのです。
なぜかぼくの心を掴んで離さないのです。
この不思議な魅力はなんなのでしょう。
恋をするとき、なんでこの人のことを好きなんだろうってふと思うときがあるのです。
でも結局わからない。
その気持ちと似ている。
ああ、平岩紙さん。
素晴らしい。
★★★☆☆
夜中の12時から3時にかけて映画を観ることが多い。
近所を自転車で疾走している姿をよく目撃されている。
<マダム葵>
短期間でもの凄い本数の映画を観たりする。
夕方の花街でそそくさと歩く後姿を目撃されることがある。