駿河シカヲです。
ガス・ヴァン・サントの「パラノイド・パーク」を観ました。
<公式HP>
http://paranoidpark.jp/index.html
<作品解説・詳細>
パラノイドパーク - goo 映画
16歳の少年アレックスは始めたばかりのスケボーに夢中。その日も、スケボー少年の聖地・パラノイドパークに向かった。しかし頭をよぎるのは家族の事や彼女のジェニファーの事ばかり。不良グループに声をかけられたアレックスは、スリルを味わうために貨物列車の飛び乗りに参加する。その時、ふとした偶然から鉄道警備員を死なせてしまう。不安に駆られながらも、何事もなかったかのように日常生活を送るアレックスだったが…。
『エレファント』や『ラストデイズ』など、若者の心の揺らぎや痛みを、彼らと同じ目線に立って描くことで定評のあるガス・ヴァン・サント監督作品。ある一夜の“事件”で、いきなり人生の試練に直面する事になった少年の揺れ動く気持ちを、監督独特のスタイリッシュな映像で映画化(35ミリとスーパー8を駆使して、その研ぎ澄まされた映像を作り出したのはクリストファー・ドイル)。主役に抜擢された地元ポートランド出身の新人、ゲイブ・ネヴァンスが、危うさを内包した10代の心模様を見事に演じた。また、ニーノ・ロータの映画音楽や、エリオット・スミスのナンバーなど、その音楽の使い方にも注目したい。
<レビュー>
映画の中で、「ナポレオン・ダイナマイト(バス男)」からの引用があったようだ。
気づかなかった。
「ナポレオン・ダイナマイト」をもう一度観る必要があるし、いずれそのうえで本作を観直そうと思う。
ガス・ヴァン・サントは語ろうとしない。
かといってありのままを撮ろうとはしないわけで、つまるところ独自の視点に立っていることは確かであるが、何も語ろうとしない。
言うなれば、いびつなドキュメンタリーだ。
いや、ドキュメンタリーではない。間違いなく、映画である。
「エレファント」も「ラストデイズ」も本作も、肝心なところが空白だ。
さっきも述べたように、作る側が語ろうとしないからだ。
だから、怖い。
ゾッとする。
これは何なのだと惹きこまれる。
苛立ちの一歩手前で、観るものは惹きこまれる。
美しいショット、美しい音楽、そういった装飾にだまされる。
時系列を巧妙に組み替え、ちょっとした混乱をまねく。
客観的に事態をを提示しているようで、実のところ小賢しく、ぼくらを騙しにかかる。
メッセージをダイレクトに伝えようとする愚直さを周到に避ける手法は、ある意味で映画なんだなと思う。
素晴らしい。
★★★★★
駿河シカヲ
夜中の12時から3時にかけて映画を観ることが多い。
近所を自転車で疾走している姿をよく目撃されている。
<マダム葵>
短期間でもの凄い本数の映画を観たりする。
夕方の花街でそそくさと歩く後姿を目撃されることがある。