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駿河シカヲとマダム葵による映画レビュー、書評、対談、コラム等のブログであります。 コメントやリンクはいつでも大歓迎でお待ちしております!
2025.05.14,Wed
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2008.12.30,Tue
駿河シカヲである。
ついに「恋空」を観てしまったのであります。
テレビで放送されておりました。

<公式HP>
http://koizora-movie.jp/index.html

<作品解説・紹介>
恋空 - goo 映画

高校1年生の美嘉は、暖かい家庭で育った優しい女の子。夏休みに入る前、図書室に忘れた携帯を取りに戻ると、それまでのメールも電話帳も全て消されていた。そこに見知らぬ男の子から電話がかかる。「大事な友達なら連絡が取れるから大丈夫」。その日から、その少年からの電話が毎日来るようになった。最初は不審がっていた美嘉だったが、次第にその少年に好意を持つようになった。学校でその少年に出会った美嘉は恋に落ち…。

1200万人が涙したケータイ小説最高のラブストーリーが映画に。思いがけない運命に巻き込まれる美嘉とヒロの優しくもせつない恋を、温かいタッチで描く。原作の小説は、著者である美嘉の体験を基に書かれた真実の物語。10代でこれほどヘビーな体験をするとは。また、誠実で高校生とは思えないほどしっかりした恋人や優しい家族が本当にいたと思うと、また涙が。主演は新垣結衣、三浦春馬、小出恵介他。美嘉役の新垣結衣は、あまりにせつないストーリーにリハーサル中、号泣してしまったとか。監督、脚本とも女性が手がけているだけあって、女の子の気持ちを描き方は秀逸。タイトルどおり、空や川など自然の風景が印象的に使われている。

<レビュー>
いやはや、噂に違わぬ異常映画であった。
ポッキーでおなじみになったガッキーと、三浦なにがしという若手イケメン俳優が非常に頑張って、
異常な設定の原作を濡れ場一切無しの爽やかな作品にねつ造しておる。

こんなシーンがあった。
これは昼下がりの川辺における、高校一年生のカップルの会話である。
会話は忠実に再現できぬが、ほぼ以下のような感じ。
金髪青年は三浦何某が演じている。

金髪青年「なあ、子供ができたら何ていう名前にしようか」
ガッキー「まだおなかの中の赤ちゃんが男の子か女の子かわかんないよ」
金髪青年「そうだ、男でも女でも生まれてきた赤ちゃんには『本』という字をつけよう」
ガッキー「どうして?」
金髪青年「だって図書館でできた子供だろう?」
ガッキー「それじゃあ子供が大きくなった時に説明に困るよ」
二人「あははははは」

非常に性にたいする倫理が乱れておりますな。
要するに図書館で二人はセックスをして、子供ができてしまったのである。
川辺に佇む高校一年生の爽やかなカップルが、実は上のような会話をしていることを知ってしまったら、
君はどうする。

これは、ジェットコースタームービーである。
次から次へと異常な話が展開してゆき、
考える暇をあたえない。
「ちょ、待てよ!」と言っている間にセックスしたり、レイプされたり、
おなかの中の赤ちゃんが死んだり、別れたり、恋人が病気になったり、
死んだり、立ち直ったり、ミスチルの歌が流れたり、終わったり、
つまりなんやかんやで、開いた口が塞がらないまま、
結局あとに残るのは「ガッキーがかわいかった」ってことである。
ところが、それだけかと思っていたら、
あとからこれは異常な映画であったということをしみじみ呑めばしみじみと思い起こされ、
これは早いところ文字として記録しておかねばという気になり、
こうしてここに記しているわけである。

前回とりあげた「椿三十郎」では、襖や障子の開け閉めが気になった云々と書いたが、
それと同じような役割をこの作品ではたしているのは、「携帯電話」である。
いや、椿三十郎のそれよりも、この作品における携帯電話の役割は大きい。
というか携帯電話がなければ話が成立しない。
ロッセリーニの「イタリア旅行」を観て、「男女と一台の車があれば映画が成り立つ」と思ったゴダールは「勝手にしやがれ」を撮り、そして「気狂いピエロ」を撮ったわけだが、
もしかしたら「男女と携帯電話があれば映画が成り立つ」時代が来ているのかもしれない。

エンディングテーマはミスチルの曲だった。
まさにこの異常な映画にふさわしい。

★★☆☆☆

駿河シカヲ

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駿河シカヲ & マダム葵
性別:
非公開
職業:
ひたすらに映画
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映画
自己紹介:
<駿河シカヲ>
夜中の12時から3時にかけて映画を観ることが多い。
近所を自転車で疾走している姿をよく目撃されている。

<マダム葵>
短期間でもの凄い本数の映画を観たりする。
夕方の花街でそそくさと歩く後姿を目撃されることがある。
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