駿河シカヲとマダム葵による映画レビュー、書評、対談、コラム等のブログであります。
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2009.04.25,Sat
駿河シカヲです。
園子温監督「気球クラブ、その後」を観ました。
<公式HP>
http://www.kikyuclub.com/
<園子温公式HP>
http://www.sonosion.com/
<作品解説・詳細>
気球クラブ、その後(2006) - goo 映画
園子温監督は何故か無視していた。
ぼくは駄目な奴だ。
海外で評価されてからようやく重い腰をあげて、氏の作品を観ることにしたわけです。
これは、いい。
好きな作品だ。
撮り方はそんなに好きじゃない。
最近思うのだけれど、どっしりカメラを固定して撮る人があんまりいないように思う。
スピード感を重視しているのかやたらカット割りが細かいし、手持ちのハンディカメラを使う人も増えた。
園子温はそれが顕著なわけではないけれども、どちらかといえばそれに近いような気がした。
二人が向かい合って座り、会話するシーンの、高速切り返し。
小津安二郎は律儀に、頑固に、ラモーンズ的に、偏執狂的に、真正面からの切り返しで会話をさせるが、本作の切り返しは、結構速い。
速いといえば、前に離婚弁護士というテレビドラマを観たが、その時も向かい合う両者の会話の切り返しが無茶苦茶速くて、めまいがした。
それに近いものを感じる。まあ、あそこまでひどくはないけれど。
昔は時の流れが今よりもゆるやかだったんでしょうなあ。
いいなあ、小津安二郎。
話が逸れた。
そう、この作品が好きだってことを書きたかったのに、つい貶してしまった。
違う、そうじゃない。
園子温は確実に才能があるはずだ。
頑張って欲しい。
しかし、ぼくは大学生のサークルのノリが大嫌いです。
軽薄な奴らを観ているとぶん殴りたくなります。
本作の「気球クラブ」の奴らも基本そんな感じで、ぼくは大嫌いです。
多分奴らはたのしくわいわい騒げれば良いのだ。
気球じゃなくてもいいのだ。
部長以外は、みんなそうだ。
なんだ、あの飲み会は。
すげーありがちだ。
死ね、と思う。
これは作品の悪口を言っているわけじゃないよ。
大学のサークルにありがちな雰囲気をうまく表現していて、いいなあと思ったのです。
みんななんやかんや就職して、まあしっかり生きてゆくのです。
部長以外は。
やはり部長は死んでしかるべきだった。
死なないなら堕落していただろう。
またはドンキホーテのような狂人になっていただろう。
なんとなく胸が痛くなる映画です。
そこそこ幸せな人生を送っている奴等の話なんだけれど、つまらんどん底の青春を送ったひとのほうがある意味楽しめるのかもね。
あと、ビッチな女(こういう人すごくいそう)を演じた川村ゆきえのエロさが特典として味わえます。
それからメインテーマは「翳りゆく部屋」です。
これは反則。
永作博美は、女優賞をいただけるくらいの凄い演技をします。
思わせぶりな気がしなくもないが。
狂気に触れそうで触れないあの表情はたまらないですね。
特に、ラストの泣きながら笑うシーン。
これは凄いです。
観る価値があります。
★★★★★
園子温監督「気球クラブ、その後」を観ました。
<公式HP>
http://www.kikyuclub.com/
<園子温公式HP>
http://www.sonosion.com/
<作品解説・詳細>
気球クラブ、その後(2006) - goo 映画
五年ぶりに再会したサークルのメンバーたちが、それぞれの青春を振り返りつつ現在の自分を見つめ直すほろ苦い青春ドラマ。監督は「紀子の食卓」の園子温。出演は「HAZARD」の深水元基、「好きだ、」の永作博美。
サークル“気球クラブ・うわの空"には、本当に気球が好きな人、寂しさを紛らわしたい人、恋愛や友情を求める人など、さまざまな想いを抱いた若者たちが集っていた。5年後、ガールフレンドのみどり(川村ゆきえ)と微妙な関係を続けている二郎(深水元基)のもとに、かつての仲間から1本の電話が入る。サークルのリーダーだった村上(長谷川朝晴)が、突然の事故で亡くなったという。このことをきっかけにバラバラになっていたメンバーは再び集まり、村上を偲んで大宴会が行われることになった。これが最後の、一夜限りのバカ騒ぎだということに、彼らは気付いていた。二郎はそこで、村上の恋人だった美津子(永作博美)と再会する。そして美津子の村上への深い想いを知るのだった。
<レビュー>園子温監督は何故か無視していた。
ぼくは駄目な奴だ。
海外で評価されてからようやく重い腰をあげて、氏の作品を観ることにしたわけです。
これは、いい。
好きな作品だ。
撮り方はそんなに好きじゃない。
最近思うのだけれど、どっしりカメラを固定して撮る人があんまりいないように思う。
スピード感を重視しているのかやたらカット割りが細かいし、手持ちのハンディカメラを使う人も増えた。
園子温はそれが顕著なわけではないけれども、どちらかといえばそれに近いような気がした。
二人が向かい合って座り、会話するシーンの、高速切り返し。
小津安二郎は律儀に、頑固に、ラモーンズ的に、偏執狂的に、真正面からの切り返しで会話をさせるが、本作の切り返しは、結構速い。
速いといえば、前に離婚弁護士というテレビドラマを観たが、その時も向かい合う両者の会話の切り返しが無茶苦茶速くて、めまいがした。
それに近いものを感じる。まあ、あそこまでひどくはないけれど。
昔は時の流れが今よりもゆるやかだったんでしょうなあ。
いいなあ、小津安二郎。
話が逸れた。
そう、この作品が好きだってことを書きたかったのに、つい貶してしまった。
違う、そうじゃない。
園子温は確実に才能があるはずだ。
頑張って欲しい。
しかし、ぼくは大学生のサークルのノリが大嫌いです。
軽薄な奴らを観ているとぶん殴りたくなります。
本作の「気球クラブ」の奴らも基本そんな感じで、ぼくは大嫌いです。
多分奴らはたのしくわいわい騒げれば良いのだ。
気球じゃなくてもいいのだ。
部長以外は、みんなそうだ。
なんだ、あの飲み会は。
すげーありがちだ。
死ね、と思う。
これは作品の悪口を言っているわけじゃないよ。
大学のサークルにありがちな雰囲気をうまく表現していて、いいなあと思ったのです。
みんななんやかんや就職して、まあしっかり生きてゆくのです。
部長以外は。
やはり部長は死んでしかるべきだった。
死なないなら堕落していただろう。
またはドンキホーテのような狂人になっていただろう。
なんとなく胸が痛くなる映画です。
そこそこ幸せな人生を送っている奴等の話なんだけれど、つまらんどん底の青春を送ったひとのほうがある意味楽しめるのかもね。
あと、ビッチな女(こういう人すごくいそう)を演じた川村ゆきえのエロさが特典として味わえます。
それからメインテーマは「翳りゆく部屋」です。
これは反則。
永作博美は、女優賞をいただけるくらいの凄い演技をします。
思わせぶりな気がしなくもないが。
狂気に触れそうで触れないあの表情はたまらないですね。
特に、ラストの泣きながら笑うシーン。
これは凄いです。
観る価値があります。
★★★★★
駿河シカヲ
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駿河シカヲ & マダム葵
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ひたすらに映画
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自己紹介:
<駿河シカヲ>
夜中の12時から3時にかけて映画を観ることが多い。
近所を自転車で疾走している姿をよく目撃されている。
<マダム葵>
短期間でもの凄い本数の映画を観たりする。
夕方の花街でそそくさと歩く後姿を目撃されることがある。
夜中の12時から3時にかけて映画を観ることが多い。
近所を自転車で疾走している姿をよく目撃されている。
<マダム葵>
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夕方の花街でそそくさと歩く後姿を目撃されることがある。
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